正負計算は大事！
小学校の時は、そこそこ点数採れたのに、中学校１年の、特に２学期以降の数学の点数がどうしても下がってしまう。あるあるの話しなんですが、では、なぜ点数が下がるのか？実は点数そのものは下がっていない中学生もいます。考えられることとして、
① テスト勉強していない。
② 学校の授業を聞いていない。
③ 理解できるほど練習していない。
のどれかだと私は考えています。
そのうち、この夏休みにしっかり練習してほしいことは、題して「③つぶし」とでも言いましょうか。「もうわかったよ！」というくらい練習をしてみてはどうでしょうか？という話です。
その中でも、中学１年生の夏休みに数学の練習を「たらふく」やっておくべきは、「正負の計算」です。「そんなの、いっぱい練習しても何の意味あるの？」と子どもの声が聞こえてきそうですね。実際には、-6+（-9）のような練習をたくさんしてもこれは意味ないのかなあ？（意味ないこともないんですが。）
嫌いを放置するな！
はい、では何をするのか？
やってほしいのはこれ！
$$-\frac{~5~}{~9}+\frac{~3~}{~8~}$$
いわゆる「分数計算」です。「えぇ～？分数？嫌いなんですけど・・・」
はい、分数嫌いの大半は、私の経験上以下のような理由で嫌いになったのではないかと考えます。
① 分母の通分で、最小公倍数を見つけられない。
いやいや、そんなもん、分母と分母をかけ算したら通分できるやん！
② 約分をせず、そのまま答えを書いて◯がもらえないので嫌になる。
いやいや、約分くらい出来るやろ。
$$\frac{~4~}{~12~}=\frac{~1~}{~3~}$$
こんなのも出来ないのか？
皆さんの心の声を代弁してみましたが、ではこれはどうでしょうか？
$$\frac{~4~}{~15~}+\frac{~8~}{~21~}$$
この計算をするとき、
① 15と21の最小公倍数を求める。
この時、最小公倍数を探そうとしたい子どもは、そのまま15×21＝315として計算を始めます。でも別にいいんです。通分は絶対に最小公倍数で揃えないといけないというわけではないですから。
最小公倍数にこだわるのであれば、3×5×7＝105です。
さてここまで計算の導入部分までやりましたが、
この計算を
① どのくらいの速さで出来たのか。
② 正解したのか。
で、私は判断しています。
出来るまで終わらない！
$$\frac{~4~}{~15~}+\frac{~8~}{~21~}$$
は、小学生の問題ですよね。中学生はこれではダメです。
「えっ？どういうこと？」「文字式にでもするの？」
いやいや、そうではないです。冒頭にも書きましたが、「正負の計算」の練習が必要なんです。
だから、やるなら
$$-\frac{~4~}{~15~}+(-\frac{~8~}{~21~})$$
これです。
① 最小公倍数でなくてもいいから通分する。
$$-\frac{~84~}{~315~}+(-\frac{~120~}{~315~})$$
では計算してみましょう。これは正負計算です。負+負ですよ。
$$-\frac{~204~}{~315~}$$
② 約分しましょう！
「えっ？約分なんかできんの？」
これなんですよ、約分せずに放置して×をもらってしまう原因は。
204も315もどちらも３で割ることが出来ます。
ちなみに、
各位の数字を全部足した数字が３の倍数なら、その数字は３の倍数である。
（例）204⇒2+0+4＝6⇒３の倍数
だから204は３の倍数
意外と知らない中学１年生は多いです。
ということで、分母も分子も３で割ります。
$$-\frac{~68~}{~105~}$$
これで終わりです。
こんな感じの問題を１０問ずつくらい収めたプリントを使って、「１００点になるまで終われません！」みたいな感じで練習させるだけで２学期以降の数学の点数は大幅に落ちたりはしないはずです。
計算力が数学の点数を決める！
結局のところ、２学期以降は、方程式の文章問題が出てきたり、比例反比例が出てきたり、面積、体積が出てきたりと、考えることよりも、いかに「正確に」「速く」計算できるかがカギになります。方程式の文章問題では、立式することが難しいのですが、立式の仕方も繰り返しの練習でカバーできると私は思っています。
立式できた、計算ミスった、という事例で、子どもは、何を反省するのかというと、「考え方が悪いのだ」つまり「立式の仕方がわるい」と誤解するんです（１００％ではないですが）。
「俺、これ以外の考え方知らんし！」
こうなってしまうと、もう完全に数学嫌い一直線ですわ。
そうならないためにも、この夏は「正負の分数計算」の特訓をさせてみてください。
何も塾に行く必要はないです。ネットにはプリントがたくさん落ちてます。
私の運営するサイトでも無料プリントを配布していますので是非ご利用ください。
「数プリ」と検索してみてください。
（面倒でしたらそのままクリックしてください。）
お子さんが２学期に数学嫌いになっていないことを願っております。
